【補助金もある?】放課後等デイサービスの送迎で義務化された「安全装置」とは
令和5年4月1日から施行される新たな法令により、放課後等デイサービスの送迎において重要な変更が行われます。
これは、子供の安全に配慮し、送迎時の事故やトラブルを未然に防ぐための措置です。 その中でも特に注目されるのが、義務化された「安全装置」の導入です。
今回はこの「安全装置」について、設置のルールや背景、補助金のことを解説していきます。
1. 安全装置設置の背景
この措置が義務化された背景には、いくつかの痛ましい事件があります。
例えば、2021年に福岡県中間市の双葉保育園で起きた事件が挙げられます。 当時5歳だった園児が送迎バス内に取り残され、熱中症で亡くなったという悲劇が起こりました。
同様に、翌年の2022年には静岡県牧之原市にある認定こども園「川崎幼稚園」で、 駐車場に止められた通園バスの車内に、園に通っていた当時3歳の園児がおよそ5時間にわたって置き去りにされ、 重度の熱中症で亡くなるという悲劇も発生しています。
どちらのケースにおいても、園児全員の安全を管理する注意義務が重要なポイントとなっています。
このような痛ましい事故をこれ以上引き起こさないためにも、送迎を行う車両への安全装置の設置が義務化されました。
2. 安全装置ってどんなもの?
では、安全装置とはどのようなものでしょうか? 国土交通省のガイドラインに適合する安全装置として認められているのは、以下の2種類の安全装置です。 降車確認式:この装置は、子供が降車する際にスタッフが操作しないと警報が鳴り止まない、 もしくは警報が鳴り始めるものです。主に車両後部に備えた押しボタン式の装置が一般的です。
自動検知式:この装置は、エンジン停止から一定時間後にカメラなどのセンサーによって車内に置き去りにされた子供を検知するものです。
こども家庭庁のHPに安全装置のリストが掲載されていますので、 詳しくはそちらをご確認ください
https://www.cfa.go.jp/policies/child-safety/list3. 安全装置の設置は専門業者が行う
安全装置の設置には配線作業を伴います。 同時に、装置自体の不具合を検知して通知する装置も必要になるため、 専門の業者が設置作業を行うこととなります。
4. 安全装置を設置する必要のある対象車
安全装置の設置義務化の対象車は「座席が3列以上ある車両」とされております。 そのため2列目までしかない車両はこの対象にはありません。
また、3列目が車椅子乗車になっている車両も対象とされています。
5. 取り付け費用はどれくらい?
安全装置の取り付け費用には工費を含めて差があります。
取り付け作業の工費はおおよそ5万円から7万円程度、安全装置自体の金額は6万円から15万円程度です。
そのため、1台につき全体で10万円から20万円程度の費用がかかることが一般的です。
この辺りの価格は装置の種類やメーカー、設置場所などによって異なるため、詳細な見積もりは設置業者に確認すると良いでしょう。
6. 安全装置設置に関する補助金について
安全装置の設置に関しては、補助金の申請が可能です。 令和5年3月31日までの申請で、最大17万5000円までの補助金が受けられます。
この補助金を活用することで、安全装置の導入費用の一部をカバーすることができます。 補助金の詳細や申請方法については、関連する機関や自治体のウェブサイトを確認するか、専門の担当者に相談することをお勧めします。
まとめ
送迎は子供を預ける保護者にとっては非常に便利なサービスですので、多くの放課後等デイサービスで行われています。 しかし、一歩間違えると命にも関わる事件や事故につながりかねないため、十分な注意と安全管理が求められます。 安全装置の導入や定期的な点検・メンテナンス、適切なスタッフ教育など、様々な対策を講じることで、事故や事件を未然に防ぎ、 子供達にとって安全な施設づくりを目指していきましょう。